【謎解きゲーム】デジフェス2025 spring

朝の光が木々の間からこぼれ、柔らかな風が草を揺らす。
光の中、小さな影が目を覚ました。

――ふさふさとした前足が視界に入る。
(……ボクの、手?)
寝転ぶ感覚も、風が毛並みを撫でる感覚も自然なのに、どこか違和感が広がる。

「おはよう!」

突然、軽やかな声が響いた。
顔を上げると、大きな瞳のフクロウが羽を揺らしながら近づいてくる。

「えっと・・・ここはどこ?」

「ここはミステリー動物園
 ワタシたち動物が謎を出題して、お客さんに楽しんでもらう、ちょっと変わった動物園だよ!」

フクロウは誇らしげに胸を張り、話を続ける。

アライグマくんは新入りかな?
 まだ分からないだろうから一緒に準備しようね!」

「ミステリー動物園? 準備……?」

(……ボクは、なぜここに?)

「どうしてだろう、何も思い出せない……」

「何も思い出せないの?」

フクロウが心配そうに見つめた、その時―― 

「こんな問題あったっけ!?」

遠くから慌てた声が響き、サルを手に駆け寄ってくる。
それは園内で見つかった問題だが、誰も作った覚えがないという。

「誰が作ったか分からない問題なんだね! それなら――」

フクロウは紙をくちばしでつまみ、ボクを見つめる。

「ワタシたちふたりでテストプレイしよう!
 事前に解いておくのも仕事のひとつだよ!」

「ボクが?」

「うん! 楽しいし、すぐに動物園のことも覚えられると思うんだ!」

期待の目がボクに向けられる。

「……やってみるよ!」 

こうして、アライグマとフクロウは不思議な謎に挑むことになった。

▼受付でこの画面を見せて、謎解きキットを受け取りましょう。
<A>

「さて、それじゃあ、サルくんの問題を解いてみようか!」

フクロウが紙を広げて確認すると、どうやら全部で6つの問題があるようだった。

「アライグマくん、練習だと思って全部解いてみよう!」

「えっ、ボクが?」

「うん! 動物園の謎解きの仕組みも理解できるし、良い練習になると思うよ!」

フクロウの明るい声に背中を押されるように、ボクは一つずつ問題に挑戦し始めた。

▼謎が解けたら、答えを入力してください。

ふと、足元に何かが落ちているのに気がついた。
草むらの中には、次の問題の紙と、不思議な形をしたカケラが転がっている。

「わっ! また問題だ! それに……これはなんだろう?」

フクロウが興味深そうに覗き込む。
ボクも恐る恐る手を伸ばし、そのカケラにそっと触れた。

──その瞬間、視界が一変する。

目の前に広がるのは、どこか懐かしい景色。
まるで動物園の控室のような場所に、どこか見知ったような人々が立っていた。

『本日より、ミステリー動物園で勤務します、新人のアライです!』

元気な声が響き渡る。
周囲からは拍手と、「一緒に頑張ろう!」「よろしくね!」という声が次々と飛んできた。

「はじめまして! ワタシは教育担当のフクイです。アライくん、よろしくね!」

フクイと名乗る先輩飼育員が、にこやかに話しかけてくる──。

次の瞬間、視界が元に戻った。

「──アライグマくん! どうしたの?」

フクロウが心配そうにボクを覗き込む。

「このカケラに触れたら……不思議な“キオク”が蘇ってきたんだ。」

「キオク?」

「うん……どこか懐かしくて、でも……まるでボクが人間だったような……。」

「えっ!? ニンゲン!?」

フクロウは目を丸くして驚きの声を上げた。
しかし、少し考え込むと、すぐに優しく微笑む。

「それなら、このカケラを探したら、そのキオクのことがもっと分かるかもしれないね!」

「……そうかも!」

「じゃあ決まり! アライグマくんのキオクを取り戻すために、この“カケラ”を探そう!」

「うん!」

こうして、ボクとフクロウはさらなる謎へと向かうのだった。

▼受付でこの画面を見せて、報酬を受け取りましょう。
<B>

★ストーリーを読んだら、次のページへ進みましょう。

「さて、次のカケラを探すために、足元に落ちていた問題を解こう!」
フクロウが紙を広げると、そこにはこう書かれていた。

『イラストに従い3匹の動物の謎を解け』

フクロウは首をかしげ、しばらく考え込む。

「うーん……ワタシには分からないけど…
 アライグマくんなら解けそうな気がする!」

「ボクが?」

「うん! さっきの問題もスラスラ解けていたし、次の問題もきっと大丈夫!」
ボクは紙に目を落とし、記された文字とイラストをなぞるように読む。

「……うん、やってみるよ!」
フクロウの明るい声に背中を押され、ボクは問題に向き合うことにした。

──この謎を解けば、次のカケラへとつながるかもしれない。

▼謎が解けたら、答えを入力してください。

問題を解くと、またしてもボクの足元に何かが落ちていた。
草むらの中には、次の問題と二つ目の不思議なカケラが転がっている。

「やっぱり! 問題を解いていけば、カケラが見つかるんだね!」

フクロウが興味深そうに覗き込む。

「さあ、触ってみよう! 何か思い出せるかも!」

「うん。」

ボクはカケラにそっと手を伸ばした──。

──視界が切り替わる。

『お疲れ様です! フクイさん!』

『あ! アライくん、お疲れ~! 仕事には慣れた?』

『はい! だいぶ慣れました! ところで、それは?』

アライと呼ばれるボクは、フクイに尋ねる。

『これは飼育員みんなの自己紹介ページだよ!
 ちょうどアライくんの記事も作ろうと思ってたんだ。
 好きな動物と、飼育員になった理由を教えてもらえるかな?』

『もちろんです! 好きな動物は……アライグマです!』

『へぇ〜 アライグマが好きなんだ!可愛いもんね!』

『はい!それと、ボクが飼育員になろうと思ったのは、小さいころから動物が好きで…
 動物たちといつか話せたらいいなって思ったからです!
 飼育員なら、そのに一番近づける気がして……
 いつの間にか飼育員を目指していました!』

『素敵な夢だね! アライくんならきっと叶えられるよ!』

フクイは優しく微笑み、自己紹介ページに書き込む。

『……そういえば、フクイさんの好きな動物って何ですか?知りたいです!』

『ワタシ? ワタシの好きな動物は……フクロウ──』

──その瞬間、視界がぼやけ、ボクは現実へと引き戻された。

「アライグマくん! 良かった、目が覚めたね!」
フクロウが心配そうに覗き込む。

「……やっぱり、ボク、ニンゲンだったのかも。」

「や、やっぱり!? 本当にニンゲンなの!?」

フクロウは驚き、羽をばたつかせる。

「多分、そんな気がする……
 それに、フクロウさんも……」

「え?」

「……ううん、何でもない!」

「そう? まだ全部の記憶が戻ったわけじゃなさそうだし、次の謎も解いてカケラを探そう!」

「うん!」

こうして、ボクとフクロウはさらに謎を解き進めていった。

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★ストーリーを読んだら、次のページへ進みましょう。

 

 

 

 

フクロウが落ちていた紙を拾い上げ、そっと広げる。
そこには、こう書かれている。

『最後のカケラを見つけるヒント』

「見て!これが最後のカケラにつながる問題みたい!」  
フクロウが期待に満ちた目でボクをみつめる。

ボクは紙を受け取り、問題に目を通す。

「・・・そうだね!難しそうだけど頑張ってみるよ!」

「うん! ここまで辿り着いたんだし、きっと答えは見つかるはず!」

フクロウの言葉にうなずき、視線を紙へと戻す。
最後のカケラを手に入れるために──。

▼謎が解けたら、答えを入力してください。

「わ! これって……!」
足元に目をやると、そこには最後のカケラが落ちていた。

「わ!これって……!」
足元に目を向けると、そこには最後のカケラが落ちていた。

3つ目のカケラだ!』

ボクはそっとそれを拾い上げる。

「ついに揃ったね! これで記憶が戻るのかな?」
フクロウが期待に満ちた目でこちらを見つめる。

「……どうなるか、わからないけど。」
そう呟きながら、ボクは静かにカケラを握りしめた。

──その瞬間、視界が歪み、一変する。

まるで夢の中にいるようで、それ以上に鮮明な感覚。

暖かく、そして懐かしい。

・・・・・・・・・・・

「──くん…! ──ライ──くん!」
遠くからヒトの声がする。

「アライくん! おはよう! 気がついた!?
 良かった~! ずっと眠ってたんだよ!」

目を開けると、そこにはフクイさんがいた。

「フク……イさん?」

デジタル園長! アライくんが目を覚ましました!」

フクイさんが奥にいる人物へ声をかける。

「ボクは……どうしてたんですか?」

「控室で倒れていて、ずっと眠ってたんだよ!
 みんな心配していたんだから!」

「そうだったんですね……
 すみません、心配をかけてしまって…」

「今日は謎解きイベントの日だよ!
 お客さんがたくさん来るから、しっかりしないと!」

「ボクも……もう大丈夫です! 準備します!」

そう答えた瞬間、ふとポケットの中に違和感を覚えた。

そっと手を入れると──
(……え? カケラが……? これ、夢じゃなかったの……?)

指先に触れた感触に、ボクは息をのむ。
混乱しているボクのそばを、デジタル園長が静かに通り過ぎていく。

「……は、叶えられたかな?」

小さく呟かれたその言葉に、ボクは思わず振り返る。
けれど、園長はすでに遠くへ歩き去っていた。

(夢……? 叶えられた……?)

まだ状況を整理しきれない。
でも、ボクは確かに動物たちと話し、彼らの気持ちを知ることができた。

それは単なる夢だったのか、それとも……?

──答えは、もう決まっている。

ボクはポケットの中のカケラをそっと握りしめた。

「行きましょう!フクイさん!」

ボクは控室を飛び出し、謎解きの準備を進める。
ひょっとすると、ボクの夢はもう叶っているのかもしれない。

★おめでとうございます! ゲームクリアです。

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<GAME CLEAR>

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